今回は、実際のFXトレードを例に挙げて「損切りの目安をどのように決めているか」ということを紹介します。
2020年12月8日のポンド円。
買いで45.0pips獲得しました。
しかし、決済するまでに最大で約−50.0pipsの含み損を抱えています。
このFXトレードを見て、
「うわっ、こんなに含み損を抱えるのは耐えられない…」
と思う人もいるかもしれません。
このFXトレードであれば、どこを損切りの目安とするでしょうか。
決してスマートなFXトレードではないですが、自分なりに考えがあって保有していました。
チャートの環境認識、エントリーから決済までをどのように分析し考えていたかを紹介します。
実はFXにおいて「損切り」はそこまで重要ではない
「FXで損切りの目安の決め方を紹介します!」と豪語しておきながらいきなりこんなことを言うのもアレですが、FXで重要なのは損切りの目安を考えることではなくエントリーポイントです。
エントリーポイントさえ良ければ余計な含み損を抱えることもないし、自然に利益を伸ばすことができます。
逆に損切りを下手に設定してしまうと、損切り貧乏になってしまう可能性もあります。
私はFX勉強会に入会してFXを学んでいるのですが、参加者で月間数千pips取ってしまうような人や月間勝率100%という人は総じてエントリーポイントが素晴らしい場合がほとんどです。
見事に上昇や下降の起点でエントリーできています。
しかし、FX学習中の人が参加しているわけですから、全員が全員そういうわけにはいきません。
バッチリのポイントでエントリーできることもあれば、エントリーポイントがマズくて含み損を抱えてしまうことも当然あります。
FXにおいて損切りはそれほど重要ではないのですが、エントリー後に全てが思い通りに行くとは考えず、逆行してしまった場合のことも想定しておく必要があります(何も考えなくてもいいということではない)。
FXで損切りの目安はコレだ!
私が学んでいるFX手法のエントリーパターンは明確に決められているのですが、損切りに関しては絶対にコレ!というルールはありません。
強いて言うのであれば、FXを学んでいる段階の人は「買いであれば直近安値、売りであれば直近高値をローソク足確定で抜けるまでは責任を持って保有する(値動きを観察する)」ということが挙げられます。
もちろんケースバイケースで、その時の相場状況や値動きによって早めに損切りする場合もあれば抜けても保有することもあります。
ただ一つ言えることは、FXを学習中の人は損切りの目安が云々という形式的なことではなく、ポジション保有中の値動きをしっかりと観察して勉強することが大事です。
実際のFXトレードを例に挙げて損切りの目安の決め方を紹介します
長い前置きはこれくらいにして、冒頭のFXトレードの分析を紹介します。
日足
基本的に普段は日足を見ません。
しかし、現在の相場状況は日足でも転換期にあたると思われるポイントに達しているので、一応確認だけしておきます。
日足は上昇の力が強いことが分かります。
しかし、これまで効いているトレンドラインに達しており、実際に今回も抑えられて上昇が止まっています。
下位時間足の値動き次第ですが、もしかすると今後下げてくるかもしれない、ということは考えられそうです。
ただ、日足は規模が大きすぎるので参考程度に捉えて頭の片隅に置いておきます。
4時間足
続いて4時間足を見ていきます。
赤い縦線の位置が冒頭のFXトレードのエントリーポイントです。
一応、全体的には上昇トレンドと捉えることができそうです。
しかし、日足のトレンドラインに達してからは(赤枠)上方に抵抗帯があるのか抑えられているような値動きになっています。
また、トレンドラインを引いていたのですが、それに接する間隔がどんどん短くなり、そしてとうとう直前でズバッと下抜けてきました。
これはよくある値動きですね。
上昇の力が弱くなってきた時に見られる値動きです。
この値動きを見て「おやおや?もしかするとここから下がってくるかもしれない」という予測は立てられそうです。
1時間足
直近の300pips近い下降が目立ちます。
これまで支えられていた200MAも一気に下抜けてきました。
それに伴い200MAの傾きも下向きになっており、明確に下降の力が強くなっていることが分かります。
この300pips近い下降は取らないといけないのでしょうか?
個人的には、この下降は取る必要はなかったと考えています。
日足のトレンドラインに接してからの相場は上下に振られて方向性がハッキリしていない(分からない)相場のように感じていました。
余談ですが、FXの才能があるトレーダーであれば、どんな相場でも問題にせず立ち回ることができるのでしょう。
しかし、私はそのようはFXトレーダーではなく残念ながら才能のないFXトレーダです。
方向性がハッキリ分からないような相場で手を出してしまうと、損失を出してしまう可能性が高くなってしまいます。
FXの才能がないトレーダーは、たくさん勝ちたい、pipsを獲得したいという欲に負けず、自分が自信を持ってエントリーできる値動きになるまで待つことが重要になります。
話を戻しますが、この300pips近い下降でようやく方向性が見えてきました。
もちろんこの下降が発生した直後は買いは考えないですよね。
かと言って下がった先っぽで売るのも危険なので、狙うは戻り売りです。
私もこの下降は発生した時は、戻しを待って売ろうと考えていました。
しかし、その戻しが想定していたよりも強かったことで少し考えを改めました。
これだけ戻しの勢いが強いのに、直ちに下がっていくことは考えにくかったからです。
日足、4時間足は全体的には上昇の力が強い相場状況です。
もしここから下がっていくとしても、もうひと上昇してから下降していくほうが自然な流れのように思えます。
その"もうひと上昇"はどこまでなのか?ということを考えなくてはいけません。
それを測るツールがフィボナッチリトレースメント(FR)ですね。
FR38.2は上抜けているので、もしかするとFR61.8までは戻すかもしれないという予測が立てられます。
もしくは直近高値(200MA)付近までは戻すかもしれないとも考えられそうです。
長期的にはこれから売りが有利になっていくかもしれない。しかし、短期的には買いを狙うことができそう。大まかにはこのようなシナリオを立てていました。
5分足
エントリー
エントリーまでの値動きを見ると、何度も下降しようと試みていることが分かりますが、最後の砦の200MAがズバッと上抜けてきました。
その後の値動きを見てもダラダラと下げてきており、短期的には上昇の力が強いのではないかと考えていました。
200MAで止まるかな?と思っていたら、案の定止まったのでそこで買いました。
上位時間足の環境認識上、大きな利益を狙える局面ではないので、直近高値付近まで上昇してくれたらラッキーと考えそこを決済の目安にしました。
ポジション保有、損切りの目安
しかし、思った以上に伸びず、もみ合いに巻き込まれた上に含み損を抱えることに。
エントリーポイントがマズいとこういうことになりますね。
今回のFXトレードに関してはもう一つ問題がありそうですが…。
この時考えていた損切りの目安は、直近安値ではなくFR61.8までどのような値動きになるのかで判断しようと考えていました。
FR61.8を一気に下抜けるような値動きになるのであれば、サッサと損切り。
反発しそうであれば保有。
今回はあまり下降の力が強くなさそうだったので保有して様子を見ることにしました。
FR61.8に達してからは目が覚めるような上昇で一気に目的地に到達。
このFXトレードでの反省
今回のFXトレードでは、利確を欲張り過ぎました。
大事なのはエントリーポイントであって損切りや利確は適当でいいのですが、今回のFXトレードでは利確ポイントをもう少し考える必要がありました。
トレンドが転換したかもしれない局面なのに、長々と保有するのはリスクが高くなります。
目的地に到達しなくても、最低獲得pips(20pips)に達したらサッサと貰っておくのが望ましかったように思います。
もしくはもみ合い始めて20pipsに達したところでサッサと逃げるか。
足るを知る、実践するのは中々難しいですね。