FXでエリオット波動は、全体的に相場がどのような流れで現在の立ち位置がどこなのかを知るために非常に有効です。
エリオット波動はオカルトだとか後付けだとか言われたりしていますが、そんなことはありません。
エリオット波動はFXで使えます。
今回は実際に使っているエリオット波動の定義と、実際の相場分析の仕方を紹介します。
初心者でも分かる!FX、エリオット波動の定義
基本的にはフィボナッチリトレースメント(FR)の38.2%を抜けるまでは一つの波としてカウントします。
大まかには下記の内容を理解しておけば、FXの相場では十分効果的に使うことができます。
エリオット波動「第1波」
突発的な値動きであることが多い。
トレンドの始まりの合図にあたるので、エリオット第一波を狙ってとらえることは難しい(どこから始まるか予測することが難しい)。
エリオット波動「第2波」
第1波のあとに訪れる調整の値動き。
第1波の始まりを抜けることはない。
ジグザグの値動きになりやすいので、下手に手を出すと損失となる確率が高くなる。
エントリーしたとしても、利益を伸ばそうとせずに少しだけ取るのが無難。
このジグザグの値動きは、小さなエリオット波動のような値動きになることがある。
エリオット波動「第3波」
エリオット波動の中でも、最も力強い(長い)値動きになりやすい。
トレンドの中でも一番美味しいところで、利益を伸ばすならここ。
FXトレードでは、このエリオット波動の第3波を狙いたい。
エリオット波動「第4波」
第3波のあとに訪れる調整の値動き。
第2波と同様にジグザグの値動きになりやすいので、ここでも積極的にはFXトレードをしない方がよい。
ジグザグの値動きは小さなエリオット波動のような値動きになることも、第2波と同様。
エリオット波動の第1波の高値で止まることが多いという特徴がある。
エリオット波動「第5波」
第4波のあとに訪れる波。
第3波ほどではないが、力強い値動きになることが多い。
第3波の高値(もしくは安値)まで伸びるのか、それともそれ以上伸びるのか、もしくは到達することなく反転するのか分からないので、第3波ほど利益を伸ばそうとしないことが無難。
エリオット波動を使う上での注意点
波のバランス(大きさ)に注意する
基本的には上図のような形になるようにカウントします。
例えば、
このように見ることもできなくはないですが、無理やりカウントした感じが強くなっています(形が不自然)。
このようにカウントしても、FXではあまり役に立ちません。
基本的には、第1波より第3波が短くなることはありません。
先ほどの上図のようなバランスになるのが自然です。
当然、理想の形にならないこともありますし、5波まで到達することなく途中で崩れることもあります。
無理にエリオット波動をカウントしようとしない、というのがポイントです。
むやみやたらにエリオット波動をカウントしない
エリオット波動は、基本的には相場の大まかな流れを知るために使います。
間違ってもエリオット波動をカウントすることが目的となってはいけません。
例えばこのようにカウントするのは間違いです。
エリオット波動をカウントすることに一生懸命になって、肝心の値動きを理解しようとしていません。
FXはエリオット波動をカウントするゲームではないので、必要最低限カウントするだけで充分です。
この相場で正しくエリオット波動をカウントするのであれば、
このようにカウントする方が、相場の流れに合っていて自然です。
エリオット波動を実際の相場で応用する
買いで25pipsほど取りました。
このトレードでは、環境認識にエリオット波動くらいしか根拠として使っていません(あと値動き)。
実際にどのように分析して獲得したのかを具体的に説明します。
ポンド円4時間足の環境認識
1000pipsを超える上昇が発生し、ここから上昇していくのか?と思いきや、直後に大半が戻されてしまいました。
1000pipsの上昇が発生した時点では、4時間足でもエリオット波動がカウントできそうです。
このようにエリオット波動をカウントしていました。
フィボナッチエクスパンション(FE)の261.8という意味のある数値にも達していたので、ここからもしかすると4波が始まるかもしれないという予測を立てていました。
ここから上記のエリオット波動の定義に従い、上図ような値動きになってくれれば必勝パターンでイケイケで買えたのですが、残念ながら今回は第4波でエリオット波動が崩れてしまいました。
直近の下降が強いとはいえ、やはり1000pipsの上昇の力は気になります。
前回買いが入ったポイントでどのような値動きになるか観察していると、前回買いが入ったポイントピッタリから強めに上昇してきました。
もしここから下降してくるとしても1000pipsの上昇がいきなり全否定されることはないので、
このような値動きで下がってくるのではないかと大まかな予測ができます。
ポンド円1時間足の環境認識
重要なのは1時間足の環境認識です。
パッと見た感じは「全体的には上昇の力が強いけど、直近はやや下がってきているなぁ」くらいの印象です。
200MAを割り込んできているし、もしかすると下降の力が強くなっているのかもしれません。
もう少し俯瞰して観察します。
すると、エリオット波動の形に当てはまる値動きで上昇してきているではありませんか・・・!
フィボナッチエクスパンション(FE)を使うと、FE161.8ピッタリで第3波が抑えられ、そこから下降に転じていることが分かります。
もしかすると、赤い縦線のポイントは第4波なのかもしれません。
チャートをもとの大きさに戻します。
さらに細かく、第4波の値動きを観察します。
すると、小さなエリオット波動のような形で下降してきていることに気が付きます。
これは最初に述べたエリオット波動第4波の値動きの定義にも当てはまります。
赤い縦線の位置は、直近安値を下抜けることができずちょうどエリオット波動第5波まで終了したように見えます。
ということは、ここから上昇エリオット波動の第5波が発生するかもしれない、ということが予測できます。
これまで等間隔で効いている良い感じのトレンドラインも引けます。
ここはFXの神様が「絶対に買いなさい」と仰っているのが聞こえた気がするくらい鉄板中の鉄板チャートパターンです。
後は5分足で買うタイミングを計ってエントリーします。
ポンド円5分足でエントリーから決済まで
この日は朝から下がってきたら買うことを考えていました。
観察していると、思惑通りにズルズルと下がってきてくれました。
そして、先ほどの1時間足の根拠のあるポイントに達してから、直近高値を上抜けるやや強めの上昇が発生。
伸びた先っぽでは買えないので、戻しから買いました。
正直、環境認識上鉄板中の鉄板なので、ドンと構えて適当なところでも買ってもよさそうな気がします。
さてどこで利確するかということですが、環境認識上は1時間足の上昇エリオットの第5波を狙うことになります。
第5波は第3波と違ってあまり大きい利益を狙うところではないので、あまり長々と保有はしたくありません。
4時間足の強い下降も気になるので、あまり欲張らずに短期決戦で勝負をつけたいと考えます。
なので、値動きを見て20~30pipsのところで利確しました。