明らかに長期間横這いのFX相場が続いていたら誰がどう見てもレンジ相場。
その場合はレンジ相場だと簡単に見極められるのでそれに沿って戦略を立てればいい。
ただ、短期的なレンジ相場というのもあり、その際はそれが本当にレンジ相場なのかは誰にも分からない。
これは困る。
今回は短期的なレンジ相場の見極めと戦略のコツについてお話します。
キーワードは「相違ならパス!」
FXでレンジ相場は見極めるより仮定するのがコツ
レンジ相場で超分かりやすくシンプルに誰でも想像つく値動きというのはこれ。
高値と安値が揃っていてそこの中で値動きがウロウロする。
ただこういう相場というのはほとんどありません。
実施には高値を超えたり安値を抜けたり安値まで届かなかったり。
そういった方が当たりまえな値動きな気がします。
どういう時にレンジ相場と仮定するのか
レンジ相場と仮定する時のタイミングとしては2つの条件が揃った時。
- 節目であること
- 2度止まっていること
節目であること
FXにおける節目というのは色々あります。
FX勉強会であればフィボナッチリトレースメントやフィボナッチエクスパンション、エリオット波動など。
レジスタンスやサポートラインという水平線も良く言われていますが、それよりは上記の方が初心者でもわかりやすくおススメです。
それらにレートが到達した時の値動き。
もちろん事前の環境認識というのは必要です。
2度止まっていること
FX相場では「3」という数字が良くテクニカル分析として効きやすいと先生は仰られていますが、「3」に至るまでの「2」を相場で見てみて下さい。
同じレート付近で2度止まっているということは何かしら意味があるかもと考えられます。
2度止まったら「あれ?」。
3度止まったら「おっ!」。
っていう感じですね。
ちなみにこの話は5分足ではなく、その上の1時間足での値動きにおいて判断します。
1時間足レベルで節目まで到達して2度止められた場合においてレンジ相場を仮定し始めます。
確定ではありません。
だからこその仮定です。
参考例①
2020年6月25日ポンド円。
左から強く下降があり上昇してきた所。
下降FR38.2%付近で抑えられて1度下降します。
その後再度FR38.2%付近まで戻して抑えられて下降。
普通に考えるのであればここから安値付近までは下降していくんじゃないかと考えます。
もし再度上昇していくのであればレンジなんじゃないかと仮定出来ます。
レンジの上限は下降FR38.2%。
これはしっかりと2度止められているので信用性がありそうです。
レンジの下限は上昇FR61.8%?
1度は止められていますが、2度目は届かずに停滞しているので信用性としては低め。
参考例②
2020年5月12日ポンド円。
左から強く直線的な下降。
安値から上昇。
上昇FE161.8%+下降FR50%で抑えられて再下降も強めに上昇。
再度前回のレート付近で抑えられて下降。
このまま素直に下降するのであれば再度安値付近を目指しに行くんじゃないか。
下降せずに上昇するのであればレンジなんじゃないかと仮定出来ます。
レンジの上限は上昇FE161.8%+下降FR50%付近。
2度止められているので信用性がありそうです。
レンジの下限は上昇FR50%?
1度あ止められていますが、2度目は届かずに停滞しているので信用性としては低め。
わかりやすいのはどっち?
レンジ相場と判断して仮定した場合に売るのか買うのかどちらがいいのか。
それは相場環境にももちろんよると思います。
上昇相場であれば買いを狙うべきで下降相場なら売りを狙うべき。
ただ、レンジ相場と仮定した場合にわかりやすいのはどちらかと言えばしっかりとした節目で2度止められているという方を優先した組み立てる方が分かりやすし、信用性が高いんじゃないかと思います。
レンジ相場の上限が下降FR38.2%でしっかりと2度止められているのであれば、3度目にFR38.2%付近での値動きを確認して売りを選択する。
上限下限どちらともしっかりとした所で止められているのであればどちらも選択出来る。
FXレンジ相場での基本的な戦略
レンジ相場での戦略は基本はレンジ上限からの売り、レンジ下限からの買い。
真ん中では余計な事をしない。
FX初心者がレンジ相場の真ん中でトレードをしてしまうと、方向感が無く上に行ったり下に行ったりと値動きが荒くなることもあり、目線がブレて余計な事をしてしまいます。
売って損切り。
買って損切り。
また買って損切り。
悔しくなって2倍のロットで売って損切り。
めでたく口座破綻…。
こんなことにもなりかねません。
レンジ相場であるとご自身が判断したのであれば余計な事を考えない為にも基本的には上限からの売り、下限からの買いで固定しましょう。
実はレンジ相場じゃなかったということもありますが、それはとりあえず関係ありません。
レンジ相場じゃなかったんだと後で分かったのならなぜそうなったのかを考えることが重要。
とりあえずレンジ相場だと仮定したのならそれに合わせた戦略を実行することも重要。
実例:レンジ相場と見極めた時のFXシナリオと結果
先日レンジ相場だと私は仮定してシナリオを立てたのでどういった経緯でそう判断したのかと結果をお伝えします。
シナリオと戦略
4時間足
全体的にみると上昇とも下降とも判断が出来ないような値動き。
直近は直線的な上昇で押し目から再上昇していくかと思いきや強めの下降。
全体上昇のFR50%付近で安値が何度か抑えられて再度上昇している局面。
1時間足
一番目立つのは左からの下降ですね。
安値から上昇後FR38.2%でしっかりと抑えられて下降しました。
ただ、安値を何度試すも下降出来ずに直線的な上昇が発生。
一旦下降は終わったと判断出来そうです。
現在はエリオット波動で言うと1波から2波が長く形的に微妙な気もしますが3波中?
ただあくまで1時間足では下降の中にあるので上昇するなら次目指すのはどこか。
それは前回FR38.2%でしっかりと効いているということもあり、FR61.8%ですね。
FR61.8%まで上昇し、しっかりと反応して下げています。
再度FR61.8%まで上昇しますが、また抑えられて下降。
この時に私が考えたのは2つの流れ。
このまま安値を切り下げて下降するか下降せずにレンジ相場と仮定する。
ちなみに前回FR61.8%が止まって上昇したのは上昇FR38.2%付近。
5分足
1時間足下降FR61.8%から下げるも途中で上昇し始めました。
この時点でレンジ相場と私は仮定しました。
レンジ戦略は上限からの売り、下限からの買い。
上限は明確でFR61.8%。
下限は恐らく上昇FR38.2%ですが不明確。
なのでどちらかと言えば明確なFR61.8%での値動きが良ければ売りたいと思っていました。
良い値動きとしてはFR61.8%まで再度到達して3度くらい止められればとかグンと下降してからの戻しとか。
どちらにしても上昇出来ないのを確認してからの売りをイメージしていました。
その結果は?
その後相場はどうなったのか。
レンジ相場と仮定したFR61.8%をスッと上抜けて強く上昇して行きました。
完全にシナリオと戦略にはハマりませんでした。
相違ならパス!
私は今回の相場をレンジと仮定して戦略を立てていました。
なのでシナリオと戦略にハマりませんでしたので、もちろんノートレード。
相違があったのでパス!
単純に私のFX相場に対するシナリオや経験が不足していたのかもしれません。
それは別として想定していたシナリオや戦略に合わなかったということは分からなかったというのが事実。
分からないのであればやらない。
というか出来ない。
これがこのFX相場で今の私が出来る事でした。
レンジ「かも」で見極めずにFX相場で対処すればOK!
レンジ相場を見極めるというのは相場に対して自分の思考を押し付けること。
自分の思考を押し付けても相場は自由なのでそうなってくれない方が多い。
特に初心者トレーダーでFX相場に対しての経験が少ないのなら尚更。
レンジ相場かも?と仮定して相場でしっかりと確かめてそうなれば戦略に沿って対処する。
そうならなければその相場は思い切ってパスをする。
見送る。
そしてまた次の相場がどうなるのかをシナリオ立てて戦略を練る。
戦略こそ違えどレンジ相場であろうがトレンド相場であろうがやることは同じなのかもしれません。
どちらにせよ大事なのはその時の相場に対してシナリオを立てて自分がどう見てどう戦略を立てるのか。
これを絶えず繰り返して値動きに自分を合わせられるように訓練すること。
なのかもしれません。
さあ今日もFXの学習頑張りましょうね!