FXの鉄板王道は「戻り売り、押し目買い」。
下降トレンドであればいつでもどこでも戻り売りをしていればいいのか。
今回は戻り売りタイミングの違いを安全と危険に分けてお話します。
トレード解説では危険な戦い方を詳しく解説。
キーワードは「ちょっとだけよ!」。
FX戻り売りタイミングの違い
戻り売りには安全と危険がある。
このタイミングの違いを知っておかないとせっかく利益になっていたのに建値もしくは損切りになっちゃったなんてこともあります。
とりあえず安全と危険の違いだけでも知っておきましょう。
安全な戻り売りとは
まずは安全な戻り売り。
戻り売りは基本的に下降局面において下げた先では無く戻しを待ってからのトレード。
これは基本中の基本ですね。
上昇であれば押し目買い。
これが出来なければFX相場で長く勝っていくことは出来ませんので徹底的にこれだけを最初は学習するのがおススメ。
では何が安全なのかというと、状況です。
例えば上昇トレンドから下降に転じる際に上昇の押し目として浅めのフィボナッチリトレースメント38.2%付近から更に押し目の61.8%付近までを狙える局面での戻り売り。
浅い押し目までは上昇の押し目の値動きとしてジグザグと波を作って下降してきて、上昇するのであればそれが押し目。
でもそこで上昇出来ないのであれば、更に深い所まで一気に伸びる可能性がある。
ここを取りに行くのが安全な戻り売り。
エリオット波動でいう所の3波を狙いに行くイメージです。
必ずしもエリオット波動のような分かりやすい形にばかりなるわけではないので、しっかりと現在の状況を判断する必要があります。
危険な戻り売りとは
安全な戻り売りの説明でエリオット波動でいう所の3波を狙いに行くイメージという話をしました。
では危険な戻り売りとは3波がそろそろ終わるんじゃないかという所からの戻り売り。
4時間足でも1時間足でも力強く直線的にレートが下降してきた時。
所謂下げた先っぽ。
FX相場はひとつの方向にそのままずっと進んで行くことは無く、押し戻しの波を形成して進んで行く性質があるので、一方向に進んだ後は休憩を挟んでその後に相場がどうなるかという転換の局面を迎えます。
転換というのは下降が上昇に転じるということではなく、相場の方向性が決まるという事。
下降トレンドにおいて転換が起こりそうな場面で戻り売りをすること。
これが危険な戻り売り。
戦い方の違い
戻り売りの安全と危険での戦い方。
これは単純に利確の問題です。
安全な戻り売りの場合には多くの利益を取りに行く。
危険な戻り売りの場合には多くの利益を想定しない。
トレードのエントリーとしてやっていることは同じです。
下降トレンドにおいて戻しがあったら売る。
その先どこまで狙えるのかの違い。
とても簡単なように思えるかもしれませんが、これが実際のFX相場と向き合った際に判断するのはなかなか難しい。
危険な思考
下降トレンドにおいてのトレードは戻り売りが基本。
上昇する証拠も出てないのに逆張りの買いを選択するのが最も危険なのですが、単純に下降トレンドだからといって何も考えずに戻しから売りばかりを考えてしまうのも危険。
FX相場は常に物を考えていなければいけないので、現在がどういった状況なのかと言うのを判断しなければいけません。
考えずに楽だから下降トレンドだから売りというのは芸が無い。
芸が無いというよりは学習がなかなか深まらない。
現在はこういう状況で実際にこうなっているからこうしよう。
その後はどうなったのか。
状況判断は合っていたのか間違っていたのか。
なぜなのか。
その思考をどんどん深めてFX相場にマッチさせていく。
単純に目に見えやすいものばかりを追うのでは無く、もっと細かく深くを探るようにする学習をするとより理解度が上がると私は思います。
FX戻り売りタイミング「危険での戦い」
2020年9月9日ポンド円。
この日に危険なケースの戻り売りタイミングがあり、実際にトレードしました。
その時の状況などを踏まえて詳しく解説します。
環境認識
いつも通り。
お付き合いするならお友達から。
FXやるなら環境認識から。
4時間足
4時間足では直近は戻しの無い力強い下降。
200MAも上昇FR38.2%も下抜けて来ました。
現在地でいうと上昇FRの半値辺り。
明らかな下降なので狙いたいのは戻り売り。
1時間足
続いて1時間足。
1時間足では明らかな下降トレンド。
FEの谷としてはとても微妙ですが、参考程度に当てると既に261.8%も抜ける強い下降であることは分かります。
エリオット波動としてはカウントしませんが、参考程度に見ると下降3波のような力強い値動きで一直線に直前では下降しています。
こんな相場で逆張りで買いを狙うわけにはいきません。
根拠が有るとすれば4時間足のFR半値(50%)があるかな?くらいですが、そもそもFR50%が効くかどうかなんていうのは分かりません。
一応こちらも参考の為にFR50%に水平線を当てておきます。
とりあえずトレードとして狙いたいのは戻り売りです。
危険な戻り売りの判断
4時間足でも1時間足でも強い下降トレンド。
であれば狙うべきは戻り売りなのは変わりません。
ただ、現在の状況はどうなのか。
浅めの押し目であるFR38.2%も力強く抜けてFR50%付近まで来ました。
そして1時間足ではエリオット波動3波のような直前では直線的な戻しの無い強い下降。
4時間足でも直前では明らかに直線的な下降です。
この直線的な下降がいつまでも続くわけではないので、どこから1時間足レベルで強めに反発があるかもしれない。
直線的に下降した先の先である程度意味のある所まで下降してしまっている。
戻り売りをするにしても危険な場面であると判断していました。
ということは?
エントリータイミングを計る5分足で例えば今後良い値動きになったとしても上昇FR61.8%まで下降するだろうみたいなことは考えずに短く取るという戦い方になります。
エントリータイミング
5分足。
上の画像は朝の時点でのチャート。
4時間足でのFR50%にこちらでも水平線を当てていますが、何やら効いていそうな感じはします。
アッFR50%が効いていそうだからここから上昇するかも…は危険。
効いている感じはありますが、値動きとしては横這いで良く分からないですし、FR50%自体がそこまで根拠として使えるのかはとても微妙。
戻り売りにしても、FR50%は効いていそうだし、横這いだし良く分からないから様子見かなと思っていました。
もし売るなら安値を抜けた戻しでどうしても上昇出来ないならちょっと売る。
ちょっとだけよ
その後の5分足チャートです。
安値をグッと下抜けました。
その後結構な割合で下降分が戻されてしまいました。
この時点でやっぱりFR50%が作用しているなとは思いました。
このままグイグイと上昇するのであればとりあえず今回の相場は見送り。
ただ200MAに抑えられるような形でFX相場が大好きな3度目の正直が出たので、3度目から売りでエントリー。
利確は危険な戻り売りの局面ではちょっとだけでしたよね?
なので、最大でも直近安値くらいまでを想定して、下降の谷にFEを当てると161.8%が丁度いい位置に来ます。
そこら辺を目安に伸びた先で利確。
直線で50pips。
全然ちょっとだけじゃないじゃん!
と思うかもしれませんが、相場の局面としてここから更に下抜けを狙う欲張りトレードでは無く、最低限の最大限ちょっとだけという意味での利確になります。
その後は見事にがっつり上昇してしまいましたね…。
FX戻り売りのタイミングは総合評価が出来てこそ
今回はたまたま判断が正しくて相場から利益を取ることが出来ました。
危ない戻り売りのタイミングで。
危ない戻り売りと安全な戻り売りの基準が正しいかどうかは正直分かりません。
ただ今回のトレードでそういった事を考えられたことは私にとって良い学習になりました。
FX相場はいつでも同じような値動きをするわけでは無く、自由気ままに動くのでそれに対処して行くしかない。
対処するにはどうすればいいのか。
マルチタイムフレーム分析を駆使して環境認識をしてシナリオを立てて合致すれば細かなタイミングを計ってトレードする。
しかも長く色々な相場を見て学習して経験して行かないと正しい総合評価をいつでも出来るようにはならない。
FX勉強会の先生はトレーニングとして資金2倍トレーニングを推奨していますが、資金が2倍に出来たから専業トレーダーですでは無いと仰っています。
それにはこういった色々な相場での対処法を自分で学習して蓄積しなくては意味が無いからなんじゃないかと思います。
戻り売りのタイミングも押し目買いのタイミングでもレンジ戦略でも。
常に正しい総合評価の基にトレードが出来るようになる訓練をしましょう。
さあ今日もFXの学習頑張りましょうね!