FXでは売るもしくは買うことで相場から利益を得られる。
裁量トレードであれば個人の判断でそれぞれが選択してトレードすればいい。
ただFXでは売る買うの2つしか選択肢が無いわけではないです。
FXトレーダーにとって大事な選択肢は「様子を見る」ということ。
様子を見る相場とはどういう相場でなぜ様子を見なければいけないのかを今回お話します。
キーワードは「後出しじゃんけんポン」。
FX裁量トレード「様子見」という選択肢
例えばこの5分足の相場。
これだけを見ると目立つ上昇も下降もあるので買いでも売りでも利益が取れそう。
であれば裁量トレードにおいて売るもの買うのも自由なのでどっちでもトレードすればいいんじゃないか。
FXをゲームかなんかと思ってお遊びとしてやるのであればいいのかもしれません。
でもFXをやられている方はお金を稼ぎたくて頑張っているんですよね。
じゃあ真剣に考えて相場と向き合わなければいけない。
なぜFXでは様子見が必要なのか
FX相場はいつでも売りや買いが出来るような分かりやすい値動きだけではない。
そんな分かりやすい相場が永遠と続くのであれば多くの方が億トレーダーになれる。
でも実際にはそうなっておらず億トレーダーよりも損失を出し続けるトレーダーの方が多いわけです。
トレーダーによってもスタイルは異なると思いますが、勝率が高く安定して永遠と勝てるトレーダーは少なからず売りや買いが分かりやすい相場でトレードして利益を出しています。
では億トレーダーであっても売りも買いも分からない相場では何をしているのか。
それは簡単で様子見をしているんです。
いつでもどこでも無暗やたらにトレードしたい!早くお金を稼ぎたい!と焦って分からない相場で手を出すから損失を出しますし、売り買いが分かる相場すらも分からなくなる。
なのでFXにおいて様子見をするということはとても重要な仕事になります。
様子を見る相場とは
それは分からない時。
この分からない時というのはFX学習のステージによっても異なると思います。
FXを学び始めの初心者トレーダーであれば最初は何も相場の事が分からないので、すべての相場で様子見ということにも成りかねないですが、勝てる手法を習って学んで続けて行くうちに徐々に分からない相場が減っていく。
では勝てているトレーダーでも分からなくて様子見をする相場とは何なのか。
- トレンド相場において一時的に下降が強まり始めている値動き
- 一連のトレンドが終わったかな(エリオット波動など)と思える後の値動き
- 方向感が分からなくなる値動き(上位足で安値を切り下げた後に高値を切り上げるなど)
などなど。
積極的「様子見」と消極的「様子見」
様子見には積極的と消極的があると思います。
いつも余計なことを考えて分かる相場においても自分自身で分からなくして様子見をする。
これはFX学習者として成長を妨げる要因。
先生は以前のヅイッターで毎日シナリオを立てて、トレードはしないでその後どうなったのかを徹底的に確認するということを暫く続けるのも有りという話をされていました。
これであれば積極的な様子見。
どちらにしても消極的な様子見をしてしまうということは単純にFXの学習不足という理由が多くあると思うので、学習量を増やしたり、学習環境にあるものは何でもやってみるなど学習については積極的にやっていく方が成長が早くなるんじゃないでしょうか。
明るく!楽しく!元気よく!積極的にやりましょう!
裁量トレードで「様子見」のFX相場解説
2019年12月3日ポンド円の相場。
画像は5分足。
この相場でトレーダーとして何が出来るのかを環境認識、シナリオを踏まえて考えて行きましょう。
環境認識
付き合うならお友達から。
FXやるなら環境認識から。
4時間足
直近で見ると安値から強く上昇して来ている上昇トレンド。
急上昇の後は戻しがほとんど無い。
チャートを縮小して全体を見ると下降のフィボナッチリトレースメント61.8%付近で数週間の地獄の横這い。
安値からの値動きを見るとエリオット波動的には上昇5波中。
直前では地獄の横這いから上向きの200MA付近で上昇し高値を若干切り上げています。
4時間足での分析としてはやはり買いが強い。
数週間の横這いでも下降せずに高値を切り上げたこともありエリオット波動5波継続で買いを狙いたい所。
1時間足
高安値を切り上げる明らかな上昇。
該当相場の前では直前の上昇フィボナッチリトレースメント38.2%から再上昇していますが、高値を超えられずに若干強めの下降。
38.2%からの押し目というよりは値動きとして横這いっぽい感じ。
小さくエリオット波動をカウントしてみると横這いっぽい値動きまでが4波で若干強めの下降が5波にも見えます。
全体をもう一度見ると、上昇起点から上昇エリオット波動3波から4波なんじゃないかとも言えます。
エリオット波動の定義は突発的な動きが1波、2波ジグザグ、3波で力強い値動き
、4波でジグザグで1波の高値で止まることが多々あるですね。
どちらも当てはまっているような値動き。
高値からの波にフィボナッチエクスパンションを当てると小さく下降5波の先に161.8%があります。
しかもエリオット波動の定義でいう1波の高値もある。
トレンドラインも引くと1波高値とフィボナッチエクスパンション161.8%に当たる所にピッタリと来ます。
1時間足の分析としては、値動きとしてもテクニカル分析的にも買いを狙いたい。
シナリオ
環境認識からの分析を踏まえて今回は練習も兼ねて売りと買い両方のシナリオを立ててみたいと思います。
買うなら
買いのシナリオは単純。
4時間足でも1時間足でも上昇として買いを狙いたい。
ではどこで買うのか。
1時間足でのテクニカル分析的に下降エリオット波動5波の終了を待って上昇エリオット波動5波で買う。
具体的には1時間足での下降フィボナッチエクスパンション161.8%と城主尾1波の高値、トレンドラインの根拠が重なる付近。
シナリオはあくまでシナリオなので、そうなるかどうかは分からない。
最終的なエントリータイミングを計る5分足でどうなるかを見なければいけない。
売るなら
4時間足、1時間足での環境認識からも売りを考えられる要素は何もない。
ではどうなったら売れるのか。
例えば1時間足レベルで高値からズドンと下降したのを確認してから戻しを待って売るとか。
高安値を切り下げていくならちゃんと切り下がったのを確認してから売るとか。
ですかね。
まだ何も起こっておらず起こってもいないことを考えてもしょうがない。
トレード
買いのシナリオで想定したポイントまで値動きが来ています。
直前の下降はとても力強いので気になりますが、安値付近で停滞。
安値を切り下げた後にV字の上昇で高値も若干切り上げ。
その後は3度下を試すも下がらずに高安値切り上げ。
これ以上下がらないのを確認して3度目の正直から買い。
もしくは実際に上昇したのを確認して、小さな横這いから上昇したのまでを確認して押し目から買い。
様子見
その後上昇がすべて戻されましたね。
じゃあこの下降で売りの裁量トレードをしますか?
売りのシナリオとしては1時間足レベルでズドンと下げた後の戻しかから売り。
もしくは1時間足レベルで高安値を切り下げたのをしっかりと確認してからの売りでしたよね。
5分足では上昇がすべて戻されているので下降が強そうには見えるのですが、1時間足で見るとたったのこれだけ。
売りのシナリオには何もハマっていないですね。
ということはこの下降でトレーダーが唯一出来ることは何ですか?
もちろん様子見をするです。
裁量トレードで「様子見」はFX相場の答えを待つ期間
裁量トレードであれば自分が環境認識をしてシナリオを立てたとおりになるのであれば売りでも買いでもする。
ただ、目先の値動きだけを見て何の根拠も無く裁量トレードだからと言ってトレードするのは良くない。
これをやってしまうとFXを学習している段階ではとても危険で、何が正しくて何が間違っているかが分からなくなります。
FX勉強会の様に先生に「そのトレードはクソです」とかご指導頂けるならまだ間違いに気づくことが出来るかもしれませんが、独学ならどんどん沼にハマって行きます。
なので裁量トレードであってもシナリオや環境認識として分からないポイントというのは億トレーダーであっても恐らく様子見をしています。
様子を見てその後の値動きを待つんです。
この様子見をして待つ事はFX相場では沢山出てきます。
これが待てないとトレード回数だけ増えて勝率は激減。
大切なお金も増えて行かないどころかどんどん減っていく悲しい結果にもなります。
なので様子見をして待たなければいけない相場が沢山あるということはそういった相場をしっかりと学習しないといけない。
感覚的では無く、勝てる手法に従って分析した結果として様子見して答えを待つ。
そういった経験を沢山積んだ上で正しい裁量トレードをする。
裁量トレード「様子見」の最大の利点
様子見が必要な相場で適切な判断が出来るようになると
- 分かるところだけで裁量トレードすることになるので勝率が上がる
- 後出しじゃんけんが出来る
分かるところだけでの裁量トレードはその後の値動き値動きをある程度予測出来るということなので勝率が高くなりますね。
分からないところでは様子見をしているので負ける確率も減ります。
そして分からない所では様子見をして値動きの答えを待っていたんですよね。
じゃんけんって相手がグーかパーかチョキの何を出してくるか分からないから勝率はそこまで上がらないですが、後出しじゃんけんなら絶対負けないですよね。
これと同じ。
その後の相場はどうなったかはご自身で確認して見て下さい。
きっといい後出しじゃんけんが出来る相場になっていますよ。
今回の話はFX相場の格言でも有名な「頭と尻尾はくれてやれ」っていうのにも関係しているのかもしれません。
さあ今日もFXの学習頑張りましょうね!