FXトレードノートを書く目的
FXトレードを漫然と繰り返しただけではトレード技術は上達しない
FXトレードというのは、勝っても100%満足のいく結果だったということは中々ないものです。
勝てても「危ないFXトレードだったな」とか「もう少し利益を伸ばしても良かったな」とか、振り返ると何かしら思うことがある場合がほとんどだと思います。
FX初心者や素人FXトレーダーなら尚更で、特に負けたFXトレードであれば1つのFXトレードからも多くの課題が見つかるはずです。
この『FXにおける課題』というのは、漫然とFXトレードを繰り返していれば自然と解決できるものではなく、きちんと原因を突き詰めて改善策を考え行動しないと解決できません。
当たり前のことですが、FXで安定して勝てるようになるためにはその課題一つ一つを虱潰しにして繰り返さないようにしなくてはなりません。
同じ行動を繰り返していれば、いずれ同じ失敗をする
FXを数年学んでようやく気が付いたのですが(遅すぎ)、FXで安定して勝てない人というのは同じような失敗を性懲りもなく繰り返しているからいつまで経っても勝てない場合が多々あります。
その失敗というのが厄介で、しょっちゅう繰り返す失敗もあれば、忘れた頃にやらかす失敗もあります。
その失敗をした時は「あちゃー。気をつけなくちゃ。」と思って取り組むのですが、しばらくしてからまたやらかす…。
その度に「あぁ、またやらかした。自分はダメなヤツだ…。」と落ち込んでいたのですが、それだけではいつまで経っても変わらないのではないかと考えるようになりました。
ダメなヤツということは事実なのですが、その時に考えていた解決策が上手く機能していなかったことにも原因があるから繰り返している。
「これが課題の解決策だ!」と考えていたものが、見当違いのものだった可能性があるということですね。
同じ行動を繰り返していれば、いずれ同じ失敗を繰り返します。
FXに限らず、何においても同じだと思います。
これは、成長が早い人とそうでない人の違いの要因の一つだと考えます。
FXは根性論や精神論だけでは絶対に勝てるようになりません。
なぜ勝てないのかということを明確にし、正しい解決策を考え手実行する必要があります。
その過程においてFXのトレードノートは有効であると考えます。
FXトレードノートに書くべき内容、書かなくてもよい内容
ここからが本題です。
FXトレードノートに書くべき内容、書かなくてもよい内容をまとめました。
FXトレードノートに書くべき内容
- どのようにチャートを分析してシナリオを立てていたのか。
- 正しいFX手法のルールに合致したエントリーか。
- 獲得pips(なぜそこで利確、または損切りをしたのか)。
ここまでは最低限必要なことなので、やっている人は多いかもしれません。
過去に同じような失敗をしていなかったか。
ここをしっかりと把握できているかが重要だと考えます。
半年とか1年くらい正しいFX手法に則ってFXトレードを続けていると、自分自身の傾向が見えてくるはずです。
得意な相場や勝ちパターンであったり、逆によく負けている相場状況だったりということが分かります。
また、一見すると勝てているFXトレードでも、別のFXトレードをよくよく振り返ると同じような相場状況なのに負けているFXトレードもあったりします。
この違いは何なのか?ということを考えるのも重要です。
客観的に振り返ることができているかどうか。
これをFXトレードノートを書く上で意識しなくてはいけません。
FXトレードノートに書かなくてもよい内容
- その時の気分やメンタル的なこと。
- ポエム的な反省。
- ロンドン時間とか。
要人発言や指標発表。その他、ファンダメンタルズ的なこと。
上記のようなメンタルやテクニカル的な内容は、FXトレードノートに書く必要はありません。
FXはテクニカル分析100%で勝てます。
そのため、基本的にメンタルやファンダメンタルに関することは、FXトレードノートに書く必要はないと考えます。
メンタル的なことは、マイルールを設けることで対応することが可能です。
FXトレードノートは手書き?それともPC?
正直、どちらでもいいと思います(笑)
覚えることが目的ではなく、自分の傾向や癖に気づき改善することが目的なので、自分が続けやすい(管理しやすい)やり方を選ぶのがいいです。
【実践】FXトレードノートの紹介
ポンド円2020年9月29日
買い +42.6pips、+41.8pips
最初にこのFXトレードを振り返ります。
4時間足
赤い縦線の位置がエントリーポイントです。
目立つ値動きは、およそ1000pipsの強い下降です。
しかし、直前はやや強めに上昇してきています。
相場の流れに乗った基本的な4時間足レベルの大まかなシナリオは「戻しからの売り」です。
赤い縦線の時点では、下降の戻しが発生していると考えていました。
その『戻し』がどこまで続くのかを測るために、フィボナッチリトレースメント(FR)を使いました。
FR38.2までは戻してくるかもしれない。
ということは、FR38.2までの買いが狙えるかもしれない。
4時間足はこのように考えていました。
1時間足
全体的には下降の力が強い相場ですが、直近は上昇の力が強くなっているように見えます。
そして、直前で200MAをぶち抜く上昇が発生。
全体的には売りの力が強いとはいえ、すぐには売れない状況だと判断しました。
売りではなく、短期的には買いを狙うことができそうです。
この200MAをぶち抜く上昇が、なぜ止まったのかを考えました。
チャート中央付近に長いもみ合いがあります。
よくよく見ると、そのもみ合いの上限付近で止まっていることが分かります。
しかし、その後の値動きを見ても、まだ上昇の力が強そうです(下降が弱弱しい)。
直近の相場の流れに乗って短期的には買いを狙えるかもしれませんが、直近高値上抜けを狙うのは博打のように思えます。
買っても直近高値までだと考えました。
エントリータイミングは5分足の値動き次第ですね。
5分足
5分足で考えられる簡単なエントリーパターンは、
・200MAで下降が止まったら買い
・エリオット波動のような値動きで第5波まで終了して下降しなければ買い
今回の相場であれば、3カ所の赤い矢印のポイントで買うことができそうです。
私の1発目のFXトレードは似たような位置でエントリーしているように見えますが、厳密にはエントリーが遅いです。
私の悪癖である「ダラダラモタモタする性格」をよく現しています。
逆に2発目は早いですね。
ここまでの値動きで、エリオット波動の第5波的な下降が訪れるのは簡単に想像ができます。
買い目線であることは合っていますが、エントリーを焦りすぎですね。
第5波まで終了して、且つ小さな『三度目の正直』のゴールデンパターンになっているので、追撃で買うならココですね。
利確に関しては、4時間足と1時間足の環境認識通りで良かったと思います。
ポンド円2021年3月15日
買い +4.2pips
4時間足
赤い縦線の位置がエントリーポイントです。
とても強い上昇トレンドです。
基本的には「押し目からの買い」を狙います。
「買い」ではなく「”押し目からの”買い」です。
現在の位置というのは押し目でも何でもなく「上昇した先っぽの先っぽ」ですね。
いくら上昇が強いとはいえ、買うには不利な位置であると考えます。
1時間足
上位時間足同様に上昇トレンドです。
直近の値動きを見てみます。
直近高値からの下降がV字で戻されていますが、結局上抜けられずに直前でもみ合っていることが分かります。
大まかには買いが有利な相場ですが、1時間足レベルでも押し目からの買いを狙う局面であると考えます。
5分足
上記の上位時間足の環境認識ができていれば、このもみ合い相場で買うという選択肢はないと思います(買ったけど)。
このような相場で買ってしまうFXトレーダーというのは、「FXトレードがしたい」という欲に駆られ目が曇って本当のチャンスを待てないFXトレーダーです。
大局的には買い目線で間違いないと思います。
しかし、買うのは今すぐではありません。
もしかしたら、過去にこのようなもみ合いの相場で買って利益になった経験があるのかもしれません。
環境認識上、上方に何かしらの抵抗帯があるのは明確だし、その抵抗帯でもみ合っているところで買うというのはブレイクを期待した博打と変わりません。
勝つこともあれば負けることもあるということですね。
それでは全く意味がないですよね。
勝ったり負けたりではお金は増えませんので。
そういうFXトレードを繰り返しているうちは、安定して勝てません。
腑に落ちるまでは同じ失敗を続けると思います。
なぜ負けているのかが分からない。
FXトレードノートを続けることで見えてくるものが必ずあるはずです。