2021年1月19日ポンド円1時間足のチャート。
フィボナッチの数値などの縦軸だけを意識しているFXトレーダーは、こういう相場で負けます。
逆に、フィボナッチの数値だけでなく時間軸(横軸)も意識してチャートを分析できているFXトレーダーは、しっかりと勝つことができます。
今回は、時間軸(横軸)を意識したフィボナッチの使い方を紹介します。
FX、フィボナッチの数値は絶対的なものではなくチャート分析をするための補助でしかない
私が学んでいるFX手法では、フィボナッチリトレースメント(FR)とフィボナッチエクスパンション(FE)の2種類を使います。
設定している主な数値は、
FRであれば38.2%と61.8%
FEであれば161.8%と261.8%
です。
フィボナッチに限らずトレンドラインやMAといったインジケーターは、絶対的なものではなくチャート分析をするための補助(目安)でしかありません。
効くか効かないかはその時になってみないと分かりません。
効いたとしても、ピッタリで効くこともあれば少し抜けたような形で効くこともあります。
フィボナッチの数値ばかりに意識が向いているFXトレーダーは、なぜ勝てないのか?
結論から言うと、勝てないFXトレーダーは値動きを蔑ろにしていることが多々あります。
勝てないFXトレーダーは、チャート分析する際に『フィボナッチの数値だけ』に意識を向けます。
逆に勝てるFXトレーダーは、フィボナッチの数値だけでなく「その数値にどのような値動きで達したのか?」「数値に達してからどのような値動きになったのか?」ということにも常に意識を向けてチャート分析します。
「FXで勝ちたいならフィボナッチの数値だけでなく値動きにも目を向けろ」と言うけれど
まだ勝てていないFXトレーダーに「値動きをしっかり見ろ!」と言っても、いきなりそれを踏まえてチャート分析するのは難しいかもしれません。
「値動きってなんだよ」って感じで。
そこで一つ注目していただきたいのが、時間軸(横軸)です。
簡単に言うと、どれくらいの時間をかけて達したのか?ということに意識を向けるということです。
今回であれば、「フィボナッチの数値にどれくらいの時間をかけて達したのか?」ということに目を向けてチャート分析をします。
例えば、先ほどの1時間足チャート。
直前の下降に当てたFRに対して、どれくらいの時間をかけて上昇してきたのかを見てみます。
下降のFR61.8抑えられているように見えますが、かなり短い時間で戻してきています。
(ここまで見る必要はありませんが)同じ値幅で比較すると、下降約24時間に対して上昇は約17時間です。
これは「まだ上昇の力が強い」ということを意味します。
ここで「直近はやや強めに下降してきて、その戻しがFR61.8で抑えられたから売り」となるでしょうか。
4時間足や1時間足全体の環境認識も含めて分析する必要がありますが、この部分だけを切り取ると売りづらいという判断になると思います。
では買いなのかというと、それも難しいと思います。
FR61.8に達した時点での選択肢は、売りでも買いでもなく『様子を見る』という選択肢が望ましいと考えます。
【具体的なFXチャート分析】フィボナッチの数値と時間軸(横軸)を意識して
先ほどの2021年1月19日のポンド円。
今回はFR61.8から下降せずに上昇していきましたが、この上昇は狙って取ることができます。
どのように考えてチャート分析をすれば上昇を取ることができるのかを振り返ります。
4時間足
まずは4時間足からチャート分析します。
4時間足は上昇トレンドで、高値を更新しながら上昇しています。
基本戦略は、押し目買いを狙うのが正しいと思います。
しかし、上昇した先っぽですね。
安易に買うのも難しい(危険)な相場状況です。
適当なところで買うのではなく、しっかりと戻してくれたところから買いたいと考えます。
直前で下降してきましたが、個人的には想定していたポイントから下降してきたと思っていました。
それは、4時間足レベルの上昇トレンドの起点と思われる山にFEを当てると、FE161.8ピッタリで止まって下降してきたからです。
また、このFE161.8の価格帯というのは、日足レベルの過去に強い売りが入ったポイント付近でもあります。
FXの相場というのは、過去に売りが入ったポイントは未来でも売りが入りやすい(もしくはその逆)という特徴があります。
日足レベルではかなり目立つ山なので、信憑性がありそうです。
上昇トレンドが転換するほどの下降が入るかは分かりませんが、意味のあるポイントなので多少は下降するのではないかと予測していました。
では、どこまで下降するのか?
分かりやすいのは4時間足の200MAですね。
4時間足のチャート分析では、200MAまでの売りが狙えるのではないか?と考えていました
1時間足
上位時間足ではちっぽけな下降でしたが、1時間足では200MAを下抜けており、なかなかの下降のように見えます(170pipsくらい)。
この下降が発生した直後は、売り目線の方が正しいように思います。
全体的には上昇の力が強いように見えますが、上位時間足の意味のあるポイントから下降してきているという事実があります。
さらに直前の下降の値動きを細かく見てみると、
みんな大好きエリオット波動のような値動きだということが分かります。
200MAを下抜ける下降が3波だと仮定すると、もうひと下降(5波)があるのではないかということが考えられます。
先ほどの4時間足チャートの分析では、4時間足の200MAまで下降するかもしれないという予測を立てています。
しかし、0-1-2波にFEを当てると261.8付近に達していることが分かります。
安易に売るのは危険な域に達してるので、5波狙いで売るとしても一旦戻すのを待ってから売る方がよさそうです。
次に、どこまで戻せば売れるのか?ということを考えます。
ここでエリオット3波と思われる下降にFRを当てます。
FRで重要な数値はFR38.2と61.8ですね。
そこまでの戻せば売れるかもしれません。
ここで重要なのが、どのような値動きで戻せば売れるのか?ということを考えることです。
例えば、エリオット波動のような値動きでいくつも波をつけてFR38.2や61.8まで戻してきたのであれば売りやすいですね。
もしくは、弱弱しく時間をかけてFR38.2や61.8まで戻してきたのであれば売れるかもしれません。
しかし、実際にはとても勢いのある上昇が発生し、一気にFR61.8まで上昇してきました。
先ほど、フィボナッチを使うにあたって数値だけでなく時間軸(横軸)も重要であると話しました。
直前の下降が否定されているということですから、いくらFR61.8で止まったように見えたとしてもこれでは売れません。
もしこの局面で売れるとしたら、ここから明確な売りが入ってその戻しから売るパターンが考えられます。
これだけ上昇の力が強いのに「FR61.8があるから売り」とやってしまうと痛い目を見ます。
5分足
最後に1時間足FR61.8に達した後の値動きを5分足で振り返ります。
赤い水平線が1時間足のFR61.8です。
チャートの前半部分では買いと売りの判断が難しいので様子を見る局面です。
しばらく観察していると、徐々に値動きが分かってくるかと思います。
最初はFR61.8で全く下がらず買いと売りが拮抗していましたが、徐々に買い圧力が強くなっていることが分かります。
5分足の200MAも下抜けられずに乗っかってきました。
早ければ直近高値を上抜け、小さなエリオット波動のような値動きで下がってきたところで買えそうです。
こういうもみ合っている相場は、できるだけ右側から買いたいと考えます。
さらに値動きを観察していると、ことごとく下降が否定され始めました。
下降が否定され、いい感じの陽線が発生したところで買えそうです。